11月8日は「いい歯の日」でした。
毎日当たり前に使っている「歯」や「お口」ですが、実は全身の健康とも深く関わっています。
そんなお口の中でも、見落とされがちなのが“舌(した)”。
舌は味覚を感じるだけでなく、体調や栄養状態を映し出す「健康の鏡」ともいわれています。
今回は、東洋医学でも重視される“舌の観察(舌診:ぜっしん)”について、健康チェックのポイントや日々のケア方法をわかりやすくご紹介します
舌は健康のバロメーター
舌の内部には無数の毛細血管が張り巡らされており、その血液の色が舌の赤みに反映されています。
つまり舌は、血液や体液の状態、ひいては全身の健康を映し出す鏡なのです。
東洋医学では、舌の色や形、舌苔(ぜったい)、舌裏の血管の状態を観察して体調を知る「舌診(ぜっしん)」という方法があります。
体の中の変化が現れやすい舌を観察することで、日々の不調のサインを早めにキャッチできるといわれています。
舌診のチェックポイント

血色が良く、表面がなめらかで、適度な潤いがあるのが理想的な舌で、淡いピンク色で白い舌苔がうっすらついている状態が健康のサイン。
舌診では、舌の「舌質(ぜっしつ)」と「舌苔(ぜったい)」の両方を観察します。
毎日の健康チェックとして、自分の舌を鏡で見てみましょう。
[正常な舌の状態]
・薄い白い舌苔がある
・淡い紅色をしている
・舌全体が歯の内側に収まっている
[舌質]
・色調:色は何色か?(淡紅・赤・紫など)
・形態:委縮していないか?歯形がついていないか?
・舌裏:舌下静脈(ぜっかじょうみゃく)がふくれあがっていないか?
[舌苔]
「舌乳頭(したにゅうとう)」と呼ばれる舌の表面のぷつぷつに、上皮細胞や食べかすが付着してできた白い苔状のものです。舌苔が厚く残ると、口臭や誤嚥性肺炎の原因になります。
・色調:白?黄色?
・乾湿:(いつもより)湿っている?乾いている?
・厚薄:(いつもより)厚い?薄い?
・形態:斑状(地図模様)ではないか?苔がない部分はないか?
舌からわかる体調サイン

- 厚い舌苔
疲れ・代謝の低下・風邪・精神的ストレスなどが原因で、舌苔が厚くなります。舌の縁や裏が白くなる場合は、病気が隠れている可能性もあります。
無理をせず休養をとり、体をしっかり休めましょう。 - 舌苔が無い
代謝機能の衰えや、鉄分・ミネラル不足が考えられます。
疲れやすく、食欲が落ちることも。
バランスのよい食事と、鉄分・ミネラルの補給を意識しましょう。 - 黄色の舌苔
喫煙・飲酒・消化不良などが原因です。冷たい物や刺激物の摂りすぎでも黄色くなります。
タバコ・お酒を控え、胃腸を休ませて体調を整えましょう。 - 舌の端がギザギザ(歯のあとがつく)
歯を食いしばる癖や、栄養の偏り、胃腸の弱りが関係しています。
体を温める食事や入浴、軽い運動で代謝を促しましょう。 - 舌が濃い赤色
体内に熱がこもっていたり、水分が不足しているサインです。
炎症がある場合もあります。
こまめに水分補給を行い、症状が続く場合は医師に相談しましょう。 - 舌が紫色(暗赤)
血流が滞っている状態を示します。
手足の冷えやむくみが出やすくなっているかもしれません。
入浴や軽い運動で体を温め、水分を補給して血行を促しましょう。 - 正常な舌
淡いピンク色で、薄い舌苔がうっすらあるのが健康な舌。
ほどよい大きさと潤いがあり、ツヤが見られる状態が理想です。
舌チェックで毎日の健康管理を
舌は毎日、自分で確認できる“健康のサイン”。色や形、舌苔の変化を観察することで、体の不調を早めに察知できます。
鏡を見て、毎日の舌の色・潤い・舌苔をチェックするだけでも、体調の小さな変化に気づくきっかけになります。
「いい歯の日」をきっかけに、歯だけでなく“舌”や“お口全体の健康”を一緒に見直してみませんか?
お口のことや歯のことで気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください






