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訪問部勉強会「脳血管疾患の患者の口腔ケアと対応の注意点」のご報告
今回の訪問部勉強会では、「脳血管疾患の患者の口腔ケアと対応の注意点」について話しました。その内容について共有したいと思います。
各ケースの対応方法について
脳血管疾患の既往がある場合
脳血管疾患の既往がある場合、左右のどちらに手足の麻痺があるのか、ムセや摂食・嚥下(えんか)障害、うがいの有無を、看護師や介護士に事前確認を行います。他に、視覚障害・感覚障害・言語障害など様々な後遺症がある場合もあります。
言語障害がある場合
言語障害には、失語症や構音(こうおん)障害で、相手の言葉が理解できない、伝えたい言葉が出てこない、声が出しずらい、発音が上手くできないなどがあり、その場合「はい」「いいえ」で答えられる質問や、頷きや手を挙げてのコミュニケーション等が取り、意思疎通が可能かなども確認します。
意思疎通が不可の場合
意思疎通が不可の場合、視線・表情などの視覚情報を随時確認しながら行います。
ケア時の注意点
誤嚥(ごえん)防止のため、口腔ケアの体位はなるべく座位をとり、取れない場合は45〜60度くらい起こし、健側に傾けて行います。
含嗽(がんそう)水を口に含む時は、健側を下にした姿勢で行います。
口腔内の観察やケアにはペンライトが有効です。歯、歯肉、口腔粘膜をよく観察し食物残渣(口の中に残された食べ物のかすのこと)、薬剤残渣、歯肉の腫脹(しゅちょう)、発赤、粘膜の腫脹、潰瘍(かいよう)、痛みなどないか、義歯のある場合は義歯を外し粘膜の観察、義歯の破損等の確認します。
血栓形成抑制薬、抗凝固剤・抗血小板薬服用の副作用として以下が挙げられます。
①歯肉の腫脹
②歯肉出血
③口腔内出血等あり、口腔ケア時の出血の止血は比較的が安易だが、注意する必要がある。
上肢(腕や手)の麻痺や筋力低下は自力での口腔ケアを難しくなります。
健康時のようにできないことから、苛立ちや口腔保清に消極的になりやすいので励ましながらコミュニケーションをとり、会話を楽しみながら、無理のない範囲で行うことを心掛けます。
最後に
当院では、このように定期的に勉強会を行い、患者さんに安心した診療を行うために、知識や経験の共有を行っております。もし、訪問歯科に関するご相談・お問い合わせがございましたら、当院にお気軽にご相談いただけますと幸いでございます。
お電話でのご予約は
06-6251-7722