ハローのブログ
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高齢の方が服用している薬の口腔内への副作用について
高齢の方はさまざまな持病があるため、複数の薬を服用されている場合が多く見受けられます。
沢山の薬を内服されていることで、副作用による口腔内への異変が生じることがあります。薬が口腔に及ぼす副作用には、味覚障害・口腔乾燥症・歯肉肥大症・唾液分泌過剰・流涎・口内炎・歯の形成不全・着色などが挙げられます。
今回は、高齢の方が服用されていることが多い薬の口腔内への副作用について説明します。
抗血栓薬(抗凝固薬・抗血小板薬)
血液を固まりにくくし、血栓で血管が詰まるのを防ぐ薬です。副作用として、出血が止まらなくなる点に注意が必要です。
抗血栓薬は以下が挙げられます。
・ワルファリン
・バイアスピリン
・アンプラーグ
・プラビックス
・プレタール
・エリキュースなど
骨粗鬆症治療薬
破骨細胞と骨芽細胞の働きを整える薬です。副作用として、稀に抜歯などの外科処置後、顎の骨が壊死する場合があります。
骨粗鬆薬は以下が挙げられます。
・ビスフォスフォネート薬
・選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
・デノスマブ(骨吸収抑制薬)
・副甲状腺ホルモン薬
・ビタミンK2薬(骨形成促進薬)
高血圧の薬、抗てんかん薬、免疫抑制剤
これらの薬を服用することで、薬物性歯肉肥大が起こるケースがあります。薬物性歯肉肥大とは、薬の副作用で起こる歯茎の腫れのことです。薬物性歯肉肥大を起こしやすい薬として、以下が挙げられます。
・フェニトイン(てんかんの治療薬)
・ニフェジピン(高血圧の治療薬)
・シクロスポリン(免疫抑制薬)
歯肉肥大することにより、歯周ポケットが形成され清掃が不十分になり、衛生状態を保つことが難しくなります。
口腔乾燥症の原因薬
口腔乾燥症の原因薬として、以下が挙げられます。
・利尿剤(ラシックス、フルイ トラン)
・抗コリン剤(アトロビン、ブス コパン)
・抗ヒスタミン剤(ポララミン、 レスタミン)
・抗パーキンソン剤(アーテ ン、アキネトン)
・向精神薬(抗うつ剤、 トランキライザー)
副作用として、口腔内の乾燥が長期継続すると、口腔内に細菌が繁殖しやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。また、う蝕・歯周病・感染症のリスクも高くなります。義歯の装着困難、味覚異常、食べる機能の低下なども挙げられます。
口腔カンジタ症
カンジダ菌は常在菌で多くの人が保有しています。健康であれば口腔カンジダ症を発症することはあまりありません。副腎皮質ステロイド薬の服用、悪性腫瘍、糖尿病の治療による免疫力低下や加齢変化によって発症しやすいことがわかっています。
また、唾液量の低下や義歯の不具合が原因となることもあり、高齢者のかかりやすい病気ともいえます。
発症すると口腔内の粘膜や舌の表面に白い苔状のものが付着し、赤く腫れ痛みを伴うこともあります。
最後に
訪問歯科では、様々な病気や体調に合わせた口腔ケア及び治療をしております。上記のことでお困りの方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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