ハローのブログ
BLOG
乳歯の矯正は本当に必要なの?永久歯が生えてくるなら意味ない?
「子どもの歯がまだ乳歯なのに矯正は本当に必要なの?」と疑問に思う親御さんも多いのではないでしょうか。乳歯は永久歯に生えかわるので、矯正する意味がないと考える方も少なくありません。
しかし、乳歯の時期に行う矯正は、永久歯が正しい位置に生えるための大切な準備期間です。乳歯の時の矯正と永久歯の時の矯正は目的が少し異なります。そのため、永久歯が生えかわるなら意味がないということはありません。
この記事では、乳歯の矯正の必要性や、始める時期、代表的な治療方法、費用の目安についてわかりやすく解説します。お子さんの歯並びが気になる方はぜひご覧ください。
乳歯の矯正は本当に必要なの?意味ある?
お子さんの状態によっては乳歯の時期から矯正が必要になることはあります。ここでは、乳歯の時期から矯正を行う理由を紹介いたします。
顎の発育を正常に促す(顎の歪みを防ぐ)
乳歯に矯正が必要かどうかは、子どもの歯並びや噛み合わせの状態によって異なります。「永久歯に生えかわるまで様子を見てからでいいのでは?」と思うかもしれませんが、乳歯の時期から矯正を行うことで、将来的な歯並びや顎の発育に良い影響を与えることが多いです。
また、乳歯の時期での矯正は顎の成長を利用したものになります。大人になってからでは顎の成長を利用した矯正はできませんので、顎骨が原因による歯列の乱れは外科手術や抜歯を必要とすることがあります。
そのため、乳歯の矯正は治療できる期間が限られている貴重な時期だと思っていただくと良いでしょう。
2期治療(永久歯の矯正治療)の負担を減らす
2期治療とは、いわゆる大人と同じである永久歯の矯正治療のことです。先ほども少しお話しましたが、顎が正しく成長せず、顎骨が原因による歯列の乱れを治療するには、外科手術や抜歯を必要とすることがあります。
乳歯の時期の矯正(1期治療)で歯並びや顎の位置を整えておくことで、上記のリスクを減らし、2期治療がスムーズに進み、結果的に治療期間や費用を抑えられることが期待できます。
むし歯予防
乳歯の歯並びが悪いと、歯と歯の間に隙間ができたり、重なっている部分が多くなったりするため、歯磨きがしづらくなります。結果として、むし歯のリスクが高くなってしまうことも。矯正治療によって歯並びが整うと、歯磨きがしやすくなり、むし歯予防にもつながります。
乳歯がむし歯になり、永久歯が生えかわる前に抜歯しなければならなくなると、それも永久歯の歯並びに影響を及ぼします。むし歯予防のためにも乳歯の時期からの矯正をご検討ください。
コンプレックスの解消
歯並びが悪いことは、子どもの自己肯定感にも影響することがあります。特に、人前で話したり笑ったりすることに抵抗を感じる場合、早めに矯正治療を行うことで、コンプレックスを解消し、自信を持って生活できるようになります。
子どもの矯正を開始する適切な時期
子どもの矯正はタイミングが重要です。矯正治療は子どもの成長とともに進むため、時期を見極めて適切な治療を行うことが大切です。ここでは、一期治療と二期治療について簡単に紹介いたします。
一期治療
一期治療は顎骨の成長を利用し、綺麗に永久歯が生えかわるようにするための準備治療です。この時期は顎骨が柔らかく、簡単な装置で骨格へアプローチができます。主に6歳から12歳頃までが対象年齢になります。下記の記事にて一期治療について詳しく紹介しております。あわせてぜひご覧ください。
二期治療
二期治療は、永久歯が生えそろった後に行う矯正で、一般的に10歳から12歳以降が対象となります。1期治療で顎の成長や歯並びが整っていれば、二期治療の負担は軽くなり、治療期間も短縮されることが期待できます。ただし、症状によっては二期治療が不要な場合もあるため、歯科医師と相談して二期治療を行うかどうかをご検討ください。
乳歯で矯正が必要な代表症例
乳歯の時期から矯正が必要になるケースはいくつかあります。ここでは、代表的な症例をご紹介します。
乱杭歯・そう生
乱杭歯(らんぐいば)やそう生は、歯が重なり合って生えている状態を指します。歯並びがガタガタしていると、食べ物が詰まりやすく、むし歯や歯周病の原因になることがあります。早めの矯正治療で、歯が正しい位置に並ぶように治療することが重要です。
上顎前突
上顎前突は、いわゆる「出っ歯」のことです。上の歯が前方に突出しているため、見た目に影響が出るだけでなく、噛み合わせにも問題が生じます。上顎の成長をコントロールするために、乳歯のうちから矯正を始めることが効果的です。
反対咬合
反対咬合は、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。「受け口」とも呼ばれ、噛み合わせが悪いだけでなく、顎の発育も関係しています。乳歯の時期に早めに矯正を行うことで、顎のバランスを整えることができます。
開咬
開咬は、奥歯を噛んだときに前歯が噛み合わず、隙間ができる状態です。食べ物をうまく噛めなかったり、発音に影響が出ることがあります。乳歯のうちに矯正治療を行うことで、開咬を改善することが期待できます。
乳歯のすきっ歯は矯正しなくても大丈夫?
「子どもがすきっ歯で将来が不安」と思うかもしれませんが、乳歯の時期でのすきっ歯は他の症状と比較してもそこまで気にしなくても大丈夫です。乳歯の時期に隙間があるほうが永久歯が綺麗に生え、隙間を埋めてくれることが多いです。そのため、今すきっ歯でも永久歯に生えかわる頃には心配がなくなるケースがほとんどです。
ただし、極端なすきっ歯や、奥歯の噛み合わせに問題がある場合は矯正が必要なこともあります。気になる場合は、歯科医師に相談してアドバイスを受けましょう。
下記にてすきっ歯について紹介しております。あわせてぜひご覧ください。
乳歯の矯正方法と費用目安
乳歯の矯正にはさまざまな方法があります。それぞれの治療方法と費用の目安を紹介します。
拡大装置
拡大装置は、顎の幅を広げるために使用される矯正装置です。顎の成長を促進し、歯が正しく並ぶためのスペースを作ります。急速拡大装置と緩徐拡大法の2つの方法があり、装置には次のような種類があります。
- ・側方拡大装置
- ・前方拡大装置
- ・閉鎖型装置
- ・後方拡大装置
ネジのついた取り外し可能な装置を口腔内に入れるため、お子さんが嫌がると装着に時間がかかります。また、発音のしにくさや違和感や異物感が強いのが特徴です。
開始年齢は5~10歳頃の混合歯列期(乳歯と永久歯が存在している時期)のお子さんです。費用は40万〜80万円前後ですが、医院によって費用は異なります。
マウスピース矯正
小児向けのマウスピースを用いて、顎を拡大させながら歯列不正や不正咬合の治療を同時に行います。ただし、取り外しができるため、小さいお子さんや我慢ができないお子さんには向きません。自己管理ができるお子さんでないと、治療がなかなか続かない場合もあります。
開始年齢は7~9歳頃です。治療期間は2~3年程度ですが、個人差はあります。費用は30万~60万前後ですが、医院によって費用は異なります。
ヘッドギア
ヘッドギアとは、上顎の成長を抑える装置です。帽子のような部分と、口の中に装着する部分があり、口と頭を繋ぐ部分の3つのパーツから構成されている装置です。上顎が成長しすぎて、出っ歯になっている、上の奥歯が前に出ている場合などに使用します。
こちらも取り外し可能なため、お子さんに協力してもらわなければなりません。就寝時や在宅時のみの装着なので、他人に対して見た目を気にすることはないでしょう。
開始年齢は6~8歳頃です。治療期間は6ヵ月~1年程度ですが、個人差はあります。費用は10万~30万前後ですが、医院によって費用は異なります。
その他にも様々な矯正装置があります。お子さんがどの矯正方法が適しているかは症状にもよりますので、歯科医師に相談し、治療を行いましょう。
その他の矯正装置については下記の記事をご覧ください。
大人で乳歯がある人の矯正について
個人差はありますが、一般的には乳歯は6~12歳の間に生えかわります。顎の成長の過程で乳歯の歯根が顎や永久歯の栄養として吸収され、歯根が無くなった乳歯は土台がなくなるため、グラグラと動き、やがて抜けてしまいます。
しかし、生まれつき乳歯の下にあるはずの永久歯が存在しない先天性欠如歯の方がいらっしゃいます。先天性欠如歯の場合、乳歯の歯根が吸収されず、そのまま残ることがあります。
大人になっても乳歯が残っている場合、どうしても永久歯より小さいため、すきっ歯になる可能性があります。子どもの頃のすきっ歯は良くても、大人のすきっ歯は噛み合わせや口内環境への悪影響が考えられるため、歯列矯正を検討しましょう。
乳歯が残っている場合、乳歯を抜いて歯列矯正することもありますし、抜かずに矯正することもあります。乳歯の箇所以外の状態も診て、どのように矯正していくかは歯科医師と相談して決めていきましょう。
「歯科矯正をやらなきゃよかった」とならないために
矯正治療は長期的な治療であり、費用もかかるため、慎重に進める必要があります。「やらなきゃよかった」と後悔しないためにも、後悔する理由を知ることや、後悔しないための心構えが必要です。下記の記事にて、「子供の矯正をやらなきゃ良かった」と思う人がいるのはなぜか、後悔しないために知っておくべきことを解説しています。あわせてぜひご覧ください。
まとめ
乳歯の矯正は、子どもの将来の歯並びや噛み合わせに大きな影響を与える重要な治療です。適切な時期に治療を始めることで、健康的な歯並びと顎の発育を正しく促し、将来的なトラブルを防ぐことが期待できます。
お子さんの歯並びが気になる場合は、まずは歯科医師に相談し、最適な治療法を選んであげてください。
大阪の長堀橋・松屋町・谷町六丁目近辺にお住いで、お子さんの矯正を検討しているという方は、ハローデンタルクリニックにご相談下さい。お子さんの矯正について誠実に、真摯に対応いたします。
お電話でのご予約は
06-6251-7722